「悪魔の子」

友達から教えて貰った、ある一家の話です。

Ｋさん家族はどこにでもいるようなありふれた家族でした。
会社員のＫさんに、奥さんのＹさん、
おじいさん、おばあさんの４人で暮らしていました。

Ｋさんは典型的な仕事一筋の人間。
家庭の事はそっちのけで仕事に情熱を注ぐ人間でした。
しかしそんなＫさんに心境の変化が訪れるのです。
Ｙさんに子供が出来たのです。
これまでの仕事一筋だった性格から一変、
奥さんの体調など、
家庭のことを気にかけてくれるようになったのです。

子供が生まれてからは更に家庭を気遣ってくれるようになりました。
しかしながら仕事が忙しくあまり子供と触れ合う時間がありません。
子供が自分の事を父親だと思っていないのでは無いか気がかりでありませんでした。
両親の愛情に育てられスクスクと成長していくＭ君。
ある日ついに
「ママ」
と話したのです。
パパと呼ばれなかった事が少し残念ではありましたが、
今の生活は以前に比べて幸せである。
そう実感しているＫさんでした。

しかしそんなＫさん一家にある不幸が訪れるのです。
Ｍ君が話した次の日、
母親のＹさんが変死体で発見されたのです。
しかし不思議なことに犯人の証拠などは一切発見されなかったのです。
見えない犯人像に怯えるＫさん一家。
そんなＫさんに不幸は重なります。
「ババ」
Ｍ君がそう話した次の日、
今度はおばあさんが変死体で発見されたのです。
またも犯人に繋がる証拠は見つかりませんでしたが、
Ｋさんにある疑念が浮かびました。
Ｍ君が呼んだ人が死ぬのではないかと。
その予想は的中してしまうのです。
「ジジ」
Ｍ君がそう話した次の日、
おじいさんが変死体で発見されてしまうのです。
Ｍは悪魔だ。
そう悪魔の子に違いない。
Ｋさんは次に自分の名前が呼ばれる。
そんな恐怖に怯えていた時
「パパ」
ついに呼ばれたのです。
次の日、Ｋさん宅の隣の家の旦那さんが変死体で発見されました。

めでたしめでたし。